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2023.02.03

令和4年度北勢サテライト「健康福祉システム開発研究会」第3回委員会を開催しました

2023年1月20日(金)17時より、三重大学北勢サテライトの企画として、工学研究科の駒田諭教授が代表を務める「健康福祉システム開発研究会※」の令和4年度第3回委員会を開催しました。今回は、ユマニテクプラザにて対面とオンライン配信のハイブリッド形式での開催となりました。駒田教授のご挨拶の後、以下の3名に研究内容の紹介をしていただきました。

 

①鈴鹿医療科学大学 医用工学部 医療健康データサイエンス学科  窪田 英明 教授
「X線スペクトル測定に関する研究(過去)、卒研(近年)の紹介」

前半はX線スペクトル測定に関するご研究において、良いデータを取るために直面したご苦労やそれに対する工夫について、当時使われていた実際の機器の画像も用いながらお話しいただきました。精度・再現性の高いスペクトル測定を行うには、ビーム軸合わせのためにX線管焦点の正確な位置を知ることがキーポイントとなりますが、その陽極上の焦点の位置を世界で初めて画像として捉えた経緯について語られました。後半は、医療情報における研究について、特に、院内患者フローや看護業務のタイムスタディデータの分析結果の解説がありました。さらに、鈴鹿市での外国人医療問題調査など、地域・ユーザー、窪田先生の受け持たれる学生に寄り添ったアプローチで研究を進められた事例をご紹介いただきました。

 

②三重大学工学部 総合工学科電気電子工学コース4年 坂井 陸人さん
(三重大学大学院工学研究科 矢代 大祐 助教、三重大学大学院工学研究科 駒田 諭 教授)
「下腿三頭筋の表面筋電位、足関節角速度と足・膝関節角度を用いた等速性収縮時の足関節トルクの推定」

医療、福祉、リハビリテーションなど様々な分野での活用が期待されている筋収縮トルクについて、特に足関節筋収縮トルクに着目して進められている研究の発表がありました。先行研究において生じるモデル化の誤差を解消して精度を高めるため、足関節角速度を利用した推定モデルの作成について検討されています。測定の様子の動画などを交えながら説明され、実験の進捗状況と今後の課題について報告されました。

 

③三重大学大学院工学研究科 電気電子工学専攻 博士前期課程1年 髙井 寛人さん
(三重大学大学院工学研究科 矢代 大祐 助教、三重大学大学院工学研究科 駒田 諭 教授)
「他動底背屈時の足関節トルクに含まれる重力項の同定」

足関節の運動疾患である痙縮・関節拘縮の診断及び適切な治療方針の決定のため、足関節トルクのうち、組織要素である粘弾性トルクだけを分離して推定・評価する研究について発表されました。足関節粘弾性トルクの推定精度の向上のため、これまでの先行研究では考慮されていなかった重力項をモデルに追加することについて検討されています。実験の方法及び結果の詳細が述べられ、さらにその成果について報告されました。

総勢17名の参加があり、各講演後の質疑応答・意見交換では、研究の応用についての質問や今後研究を進めるにあたってのアドバイス・提案があり、これからの各々の活動において新たな視点を得る貴重な時間となりました。

健康福祉システム開発研究会は令和5年度も取り組みを継続いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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※健康福祉システム開発研究会について

本研究会には主に企業、大学・教育機関、行政、介護・福祉分野の関係者が参加し、産学官の連携により、超高齢社会においてもご高齢の方が健康で健やかに生活できる環境を支援し、解決していく方法を考えることを目的としています。