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2021.11.17

第22回「北勢地域経営研究会」を開催しました

2021年10月21日(木)18時30分より、人文学部の青木雅生教授が代表を務める「北勢地域経営研究会」の第22回を、オンラインで開催しました。
本研究会は、三重県内の中小企業が顧客にも従業員にも地域にも「魅力ある企業」となるため、異業者交流も兼ねた若手中小企業経営者を中心とした学習機会を創出することを目的としており、2019年度から定例で月1回程度開催しております。研究会立ち上げの準備会を含め第22回となる今回は、中小企業に所属する方を中心に総勢12名の参加があり、勉強会を兼ねた活発な意見交換が行われました。

今回もオンライン形式での開催となりました。まずは「アイスブレイク」として、少人数のグループに分かれ「原油価格高騰の影響を感じるか」というテーマで意見交換をしました。大別して、自動車を日常的に使う人はガソリン代の値上がりで既に影響を感じていますし、そうでない人は現時点ではあまり実感していないようです。ただし高騰が続けば食料品や日用品にも影響が出てきますので、誰もが関心を寄せている様子でした。

続いては「事業プレゼンテーション」ということで、株式会社エーライズジャパンについて紹介されました。映像制作を事業の軸としたマネジメント会社ですが、映像に留まらず「お客さんが困っていると思えば力になる」という、経営者の熱意が伝わってくるプレゼンテーションでした。

そして今回の共通文献は、中原淳『駆け出しマネジャーの成長論 7つの挑戦課題を「科学」する』(2014,中央公論新社)でした。「マネジャー」という言葉からは、学校の部活動で部員をサポートしたり芸能人のスケジュール管理をしたりする補佐的な役割を連想しがちですが、企業においては「manage=管理する」の意味から想像される通り、管理職のような存在を指します。本書では、現代のマネジャーは5つの環境変化に晒されており、7つの挑戦課題に向き合わなければならないことを述べています。
5つの環境変化とは①突然化(=ある日いきなりマネジャーになる)、②二重化(=プレイヤーであり、マネジャーでもある)、③多様化(=“部下”と一口に言っても外国人、年上、派遣等、接し方が多様化)、④煩雑化(=高度情報化による過剰な情報管理の増加)、⑤若年化(=経験の浅いマネジャーの増加)、7つの課題とは「部下育成」「目標咀嚼」「政治交渉」「多様な人材活用」「意思決定」「マインド維持」「プレマネ(プレイヤーとマネジャー)バランス」ですが、やはりそのさじ加減は接する相手や案件によって異なるので難しいという点が議論されました。

経営者である参加者の皆さんの考え方はやはりそれぞれですが、今回「企業は学校ではない」という点に目を止めた参加者が多くいました。学校では生徒全員の全教科の成績を一定水準まで高めることが求められますが、企業では得手不得手を見極めて得意分野を伸ばすように育てるのも一つの手ということです。一方これから就職する学生参加者からは「成長意欲を示すことで、“コイツを育てたい”と思わせる人材になりたい」との前向きな感想も出ました。

全体で一人一人が感想を述べた後、それを踏まえて少人数のブレイクルームで改めて意見交換をし、マネジャーの立場から教育の形や実践の場など色んな仕組みの意義を確認し合いました。そして将来を見据えるにあたり、企業がどう成長したいかのビジョンと共に、従業員一人一人がどう成長していてほしいかの具体的なビジョンを描けているか、マネジャーとして会社(組織)と社員の成長を併せて考えられているかが重要であることが議論されました。

本研究会は、月1回程度のペースで、今後も開催を予定しております。

以上