2022.11.14
令和4年度第1回「未来都市デザイン研究会」を開催しました
2022年11月4日(金)14時より、三重大学北勢サテライトの企画として、工学研究科の近藤早映准教授が幹事を務める「未来都市デザイン研究会」の令和4年度1回目を開催しました。
「未来都市デザイン研究会」は今年度北勢サテライトで新たに設置された研究会です。近年の目覚ましいスピードで発展する科学技術により、我々の生活が便利かつ自由になった一方で、変革する都市生活や不確実な未来に戸惑いが生じるという背景を受けて研究会が立ち上がりました。公民連携で未来の都市デザインに活用可能な研究シーズや社会的視点を持ち寄り、フラットに議論しながら、参加者全員で身近な生活や地域社会の未来を考える機会を共有します。大学の研究シーズを投げかけるだけではなく、地域の皆様の関心のある様々な研究分野から、私たちの生活に落とし込みづらいトピックスについて一緒に考えるきっかけづくりを目指します。
今年度は全5回の開催を予定しています。今回はその第1回で、キックオフとなる研究会でした。
前半は、幹事の近藤准教授から研究会の概要説明の後、「未来都市デザインの展望―リビングラボにみる共創社会への軌跡」と題して講演がありました。リビングラボとは何か、次にそれを踏まえて新しいリビングラボをつくり出すために必要なことについて、実際の自治体の取組等を例に挙げて解説されました。多くの地域が長期的に直面している活力喪失の改善、さらに新価値を創出するには何が求められているのかを知るために必要な視点を学びました。また、地域の性質・特徴や魅力とその関係性について表す「地域ゲノム」という考え方から、それを活かすための方法に至るまで、リビングラボを地域に資するものにするための秘訣を得ました。
後半は、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻の大澤幸生教授を講師にお招きしました。「想像力で人をつなぐデータ連成」というテーマで、イノベーションを起こすためのステップやキーポイントについて、データサイエンスの視点からご講演いただきました。客観性が求められると思いがちな分野ですが、データだけでは見えてこない「主観」を客観的に見ることの価値・魅力について、実例をもとに語られました。イノベーションを起こすチャンスを発見するためには、人間のコミュニケーションやイマジネーションが重要であることを実感し、それを可視化・分析するために必要な手順を学びました。
最後には、この日学んだことのまとめとして、「描いてみよう、未来のまち」というテーマでワークショップを行いました。自分の未来のまちに対する思いや、身の回りにあふれているまちの情報をデータとして可視化・整理しました。与えられた時間ぎりぎりまで、ペアで議論しながらワークに取り組む姿が見られ、とても盛り上がりました。
総勢16名の参加があり、お互いの仕事や生活に繋げながら様々な意見交換がされる研究会となりました。
第2回は、12月6日(火)15時30分から「地域のエネルギーマネジメント戦略」(講師:東京大学先端科学技術研究センター 飯田誠特任准教授)をテーマに実施予定です。