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2022.03.14

北勢サテライト「健康福祉システム開発研究会」第13回を開催しました

2022年1月21日(金)17時より、三重大学北勢サテライトの企画として、工学研究科の駒田諭教授が代表を務める「健康福祉システム開発研究会」の第13回を開催しました。

本研究会には主に企業、大学・教育機関、行政、介護・福祉分野の関係者が参加し、産官学の連携により、超高齢社会においてもご高齢の方が健康で健やかに生活できる環境を支援し、解決していく方法を考えることを目的としています。

今年度3回目となる今回も、新型コロナウイルス感染拡大に配慮し、代表、幹事(鶴岡信治)、北勢サテライト関係者だけが、北勢サテライトがあるユマニテクプラザに集まり、Zoomを活用したオンライン形式での開催となりました。

高齢社会の進展により、今後介護の現場では需要者が供給者を大幅に上回っていくことが予測されるため、人手不足は喫緊の課題であり、それを補う介護ロボットの導入やICTの活用が目指されています。今回の研究会では、社会の実情を踏まえた厚生労働省が打ち出す「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業」や三重県の「介護従事者確保事業費補助金(ICT導入支援事業・介護ロボット導入支援事業)」を見据えながら、2件の研究紹介を実施しました。

1)三重大学大学院工学研究科博士前期課程 電気電子工学専攻 堀川航平

1件目は「下腿出力測定装置を用いた機能別実効筋力評価」と題し、下腿部の筋群ごとの筋力評価に関する研究報告です。リハビリテーションの分野では筋力や機能の回復に、最大筋力の測定および評価が指標として必要になります。従来の筋力評価は関節ごとに行っていましたが、本手法では一度の装着で膝と足関節に関係する筋力を、二関節にまたがって付着している二関節と、一関節筋とを分離して評価できます。今回の研究成果を活用すれば、各筋群の筋力が不足する高齢者個々の特徴を計測することができ、それに基づく適切な指導を行うことで生活の質の向上が期待されます。

 

2)公益財団法人 三重県産業支援センター(MIESC) 事業部技術支援課 松永一兵 主任

2件目は「デジタルヘルスケアにかかるMIESCの取組について」と題し、地域の医療介護現場に貢献するデジタル化ビジネスモデルの創出に関わる取組事例の研究報告です。1例目に「医療・介護環境を想定した自動検温および室内移動検知システムの開発及び実証」として、体温測定システムと位置検知システムを設置することで医療・介護現場における入所者の検温作業を自動化して体温記録と体調管理を行うと共に、室内移動を検知することで夜間徘徊の発生を事前に把握することが期待されています。そしてそれらの記録情報は介護者の携帯端末に送信され、遠隔的に状況を把握できることで介護現場の負担軽減に寄与することが期待されます。2例目には「頸動脈血流内栓子検出による脳梗塞予防診断サービスシステムの構築」ということで、頸動脈を流れる微小な血栓(HITS)の有無を調べることで脳梗塞予防に適用していく研究が報告されました。健康診断サービスとして供給する、新たなビジネスモデルの構築へ繋がることが期待されます。

今回は総勢18名の参加があり、活発な意見交換が行われたあと、来年度も引き続き本研究会を開催していくことが確認されました。引き続き多くの皆様の参加をお待ちしております。

以上