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2021.12.23

「令和3年度 四日市市民大学 21世紀ゼミナール」第3回を開催しました

令和3年12月11日(土)、四日市市にある「ユマニテクプラザ」の研修室において、令和3年度の3回目となる「四日市市民大学 21世紀ゼミナール」(四日市市からの委託事業・北勢サテライトが企画運営)を開催しました。

今年度の「21世紀ゼミナール」は、「医療最前線、そして大学の医療の研究は!?」を統一テーマに計6回の講座を予定しています。

3回目の今回は、「最新の画像診断―被ばく低減から人工知能(AI)活用まで」と題して、三重大学医学部附属病院の佐久間肇教授が講師を務めました。

CT、MRI、PETを使ってがんや脳卒中、心臓病などを発見し、病気の広がりや治療効果を評価する「画像診断」。現在の医療は、この画像診断なくして成り立たないと言われています。
最新の画像診断をテーマとする今回の講演では、まず、医療分野の画像診断が、コンピュータ技術の発達により機器や技術が目覚ましい発展を遂げ、医療現場に高精細な画像が提供されるようになり、この画像を使って診断や治療に活用されている最先端医療について、様々な画像を用いた説明がありました。

続いて、画像診断に関する二つの課題について詳しい説明がありました。

一つ目は医療被ばくの低減です。
放射線使用のリスクである医療被ばくは、より少ない放射線被ばくで正確な診断を行うのが医療従事者の役割であり、特にリスクの高い小児、若年成人への注意が必要。
三重大学附属病院においては、全国調査による放射線診断検査の標準的な被ばく線量に基づく「診断参考レベル」よりも少ない線量で検査を行っている。
また、医療従事者は自身を医療被ばくから守ることが必要。

二つ目はAIの活用です。
画像診断技術の発達により、高精細な画像データを素早く大量に提供することができても、画像診断を行う放射線診断医が不足しているため、支援する画像診断AIの正確性や解析能力の向上が求められている。
三重大学附属病院には、一度に二十数名が読影できる設備があり、国立大学病院のなかでも最大規模のスタッフが配置されているが、膨大な画像から正確な診断を行う放射線診断医の役割は、ますます高まっており一層の充実を図りたい。

私たちが患者として直接診ていただく全診療科の医師による診断や治療は、放射線診断医などのスタッフによる画像診断に基づき決められているとのことで、放射線診断医は、とても重要な医師であり、読影に使われる画像も、とても大切であることを認識しました。そして、画像診断と安全医療の進歩は、少子高齢化対策、地域や診療科による医師数の偏りなどをカバーするため、極めて重要であることを理解することができました。講演終了後には、熱心な質疑応答がなされ、今回のテーマも皆さんの関心が高かったことを実感しました。

次回は、2週連続の開催となりますが、12月18日(土)に「元気で長生きするために今できることは?」(講師:三重大学大学院医学系研究科長・医学部長 湏藤 啓広教授)を開催します。

以上