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2019.10.04

北勢サテライト「健康福祉システム開発研究会」第4回を開催しました

2019年9月13日(金)17時より、三重大学北勢サテライトの企画として、鶴岡信治教授が代表を務める北勢サテライト「健康福祉システム開発研究会」の第4回を開催しました。

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本研究会は、主に企業、学校(教育機関)等を対象としており、国内において今後益々進むと予測される高齢化社会でも、高齢者の人たちが健康で健やかに生活できる環境を支援し、解決していく方法を考えることを目的としています。第4回の研究会には、企業、教育関係者、大学生等を中心に、総勢19名が参加して開催されました。

 研究会の冒頭では、鶴岡教授より研究会の第4回開催について挨拶を行った後、参加者の研究内容の紹介を行いました。

(2-1)三重県ライフイノベーションの取組み 三重県ライフイノベーション課 北川雅敏様

 三重県としてライフイノベーションがどういった取り組みを行っているかご紹介頂きました。三重県の構想の中で、「ライフイノベーションとは、医療・健康・福祉分野(ヘルスケア)において、新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことにより、革新的な医薬品、医療機器、医療・介護技術等の研究開発の促進や関連産業の活性化をめざす。」と定義されています。
平成14年から始まり、現在第4期となる、「みえメディカルバレー構想」がどのように展開し、成果を上げてきたのかを具体的な事例を交えてご紹介頂き、最後に今後の展望をお話しされました。

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(2-2)腰痛軽減装具フワットのご紹介 三惠工業株式会社 安田府佐雄様

 三惠工業(株)と佐賀大学の産学連携により研究開発され、10月1日から一般販売予定の腰痛軽減装具フワットについて実際のサンプルを持ち込みご紹介頂きました。

フワットのHP https://fwat.fit/

 佐賀大学工学系研究科の中山先生(三重大学出身)が腰痛に悩んでおり、腰を浮かして座圧を減らす装具のアイデアを思いついたのがきっかけで開発をスタート。製造にあたり、三惠工業株式会社へ協力の要請を頂きました。
ワンタッチでベルトを腰に固定し、好きな椅子にそのまま座るだけで腰やお尻にかかる圧力をフレームが支え、腰の負担を軽減します。
テレビで紹介されたり、福祉機器コンテスト2018で優秀賞を受賞するなど、各方面から注目されています。

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(2-3)鈴鹿高専でのシステム開発の取組み 鈴鹿工業高等専門学校 打田正樹先生

 制御工学、計測工学等のロボットの技術を応用してなんとかできないかということで、3本柱(回復支援、日常支援、人の模倣)を掲げて研究を行っています。
現在、リハビリの現場で行われている、筋力トレーニング、可動域を拡大するトレーニング等をロボットで行おうとすると、現状では最低でも数百万の費用が必要となります。また、患者様それぞれの症状に合わせて調整する必要があり、導入には非常に敷居が高いものとなっています。そこで安価に使いやすい技術の研究として、例を挙げてご紹介頂きました。
リハビリ分野における支援として、上肢リハビリ支援システムや、手関節可動域計測システムなど、日常支援における支援として、ウェアラブルロボット、等身大アンドロイドロボットなどがあり、今後は、小型、軽量、安価で使いやすいシステムとなることが期待されています。

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(2-4)健康福祉システムへの人工知能の応用 三重大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 鶴岡信治先生

 研究室でこれまでに行ってきた研究テーマについて、健康福祉システムに絡めてご紹介頂きました。
超音波による心臓病の疾患(特に心筋梗塞)診断支援システム、光干渉断層(OCT)画像による疾患診断支援システム(網膜の診断)、X線画像と超音波画像による早期乳がん用スクリーニングシステム、遺伝子情報と血液の検査などの生体検査からの健康診断支援システム、肺の顕微鏡画像からの構造発達解析など、人工知能を利用して、医者が診断を行う支援をするシステムへの応用を行っています。
人工知能の難しさは、少数データだと判断を間違ってしまうことにあります。事例データが多ければ多いほど賢くなり精度が上がるため、データのバリエーションを増やしてシステムを賢くする工夫が必要となってきます。

⑤IMG_2875.JPG

本研究会では、今回も様々な議論が進み、いよいよ各方面での連携が生まれる兆しが見えてきています。今後は、産官学で連携した健康福祉システム開発のプロジェクト発足を目指して、更なる活動を進めていきます。

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次回の第5回「健康福祉システム開発研究会」は、11月15日(金)の17時からみえ大橋学園ユマニテク医療福祉大学校(四日市市塩浜本町2-36)で施設見学を予定しています。本研究会への多くの皆様の参加をお待ちしております。

以上